日本ワインコンクール 2023 結果が発表され、全国各地の実力あるワイナリーから出品された数多くの銘柄の中から、注目すべき受賞ワインが選定されました。今年は過去最多となる709本がエントリーされ、審査員による厳格かつ公正な評価プロセスを経て、金賞をはじめとした多彩な各賞が決定されました。とりわけ、山梨県のワイナリーが際立った成果を見せ、多数の銘柄が受賞を果たしたことで、地域の実力と伝統が強く印象づけられました。こうした動きは、山梨県をはじめとする各地のワイン産業の成長を象徴するものであり、今後の展開にも期待が高まります。本記事では、受賞銘柄の一覧紹介に加えて、注目の金賞ワインが持つ個性や味わい、審査で評価されたポイント、さらには今後注目されるであろうワイナリーの動向などもわかりやすく解説していきます。日本ワインの最新トレンドや魅力を幅広く知りたい方にとって、見逃せない内容となっています。
- 2023年に受賞したワインの銘柄と受賞内容
- 金賞や部門賞などの選考基準や審査の特徴
- 地域別の受賞傾向と注目のワイナリー
- 注目すべき新規受賞ワインとトレンド
日本ワインコンクール2023結果まとめ
- 今年の受賞ワイン数と内訳一覧
- 注目された金賞ワインの銘柄
- 外国人審査員が評価したポイント
- 山梨県が最多受賞した理由とは
- 初受賞のワイナリーに注目
今年の受賞ワイン数と内訳一覧

日本ワインコンクール2023では、全国の123のワイナリーから合計709本ものワインがエントリーされ、過去最多の出品数となりました。これは、近年の日本ワインに対する関心の高まりと、各地域での技術力の向上が背景にあると考えられます。また、消費者のワインに対する多様なニーズに応えるべく、各ワイナリーが独自の工夫や技術を投入し、個性豊かなワインづくりを推進してきた結果でもあります。こうした出品の増加は、ワイナリーにとっては自社のワインを広く認知してもらう機会となり、消費者にとっては新たなワインとの出会いにつながるものです。イベントを通じて、ワイン愛好家のみならず、初心者層にも日本ワインの魅力が伝わる構図が形成されています。
この中から金賞28本、銀賞71本、銅賞119本、奨励賞65本が選ばれ、さらに部門最高賞が10本、コストパフォーマンス賞も4本が選出されるという結果となりました。各賞は視覚・香り・味わいなど、複数の基準に基づいた100点満点の官能審査によって決定されており、極めて公正かつ厳格なプロセスを経ています。審査には国内外の専門家が参加しており、評価の透明性や国際的な視点も重視されています。このように多数のエントリーがあった中で、受賞に至ったワインは、まさに日本を代表する高品質な一本としての価値を有しており、今後の市場展開にも期待が高まっています。
これだけの本数が出品されたにも関わらず、各賞は厳正な審査基準に基づいて絞り込まれており、日本ワインの品質の高さと多様性がうかがえます。特に、ワイン初心者でも安心して選べるような価格帯や味わいのバリエーションが広がっている点は、今後の消費拡大にもつながると期待されます。さらに、近年は低アルコールやオーガニックといった新しい価値観にも対応した商品が増えており、ライフスタイルに寄り添った選択肢の広がりも顕著です。加えて、地域特有のブドウ品種や、ユニークな製法にチャレンジしたワインの登場も目立ち、日本の風土を活かしたオリジナリティあるワイン造りが加速していることも実感できます。ワイン文化の裾野が広がる中で、今後の展開にも注目が集まっています。
注目された金賞ワインの銘柄

金賞を受賞した28銘柄の中でも、特に注目を集めたのが「ソラリス ラ・クロワ 2019」(長野県・マンズワイン)や、「久住シャルドネ Catwalk Nightharvest 2021」(大分県・久住ワイナリー)などです。これらのワインは、それぞれの地域の気候や土壌の特徴を活かしながらも、洗練された醸造技術によってバランスの取れた味わいを実現しています。たとえば、ソラリス ラ・クロワは長野県の標高の高いエリアで栽培されたブドウを使用しており、深い果実味と滑らかなタンニンが絶妙に調和した仕上がりになっています。熟成による丸みと厚みがありながら、飲み口は軽快で、料理との相性も幅広い点が高く評価されています。赤ワイン愛好家の間では、これほどの完成度の高さはまさに傑作と称されています。
また、久住シャルドネは高地特有の冷涼な気候によるフレッシュな酸味と芳醇な香りが魅力で、特に女性からの支持が高い傾向があります。その味わいは、フルーティでありながら繊細で、和食や洋食どちらにも合わせやすいのが特徴です。柑橘系の爽やかな香りと、クリーミーな舌触りが共存する複雑な仕上がりは、食中酒としても食後の余韻を楽しむワインとしても適しています。さらに、このワインは夜間収穫によってブドウの酸化を防ぎ、フレッシュな果実感を維持するという独自のアプローチが採られており、その技術力にも注目が集まっています。加えて、収穫から発酵、熟成に至るまで一貫した品質管理が徹底されていることも、味わいの一貫性と高評価につながっています。
これらの金賞ワインは、まさに日本ワインの可能性を広げる象徴的な存在と言えるでしょう。受賞を機に、国内外の市場での認知度が高まり、日本ワイン全体の評価向上にも寄与すると期待されています。さらに、これらのワインが持つ魅力は、日本の風土と技術の融合によって生まれる味わいの独自性にあり、今後の世界的なワイン市場における日本のプレゼンス強化にもつながっていくと考えられます。
外国人審査員が評価したポイント

今年のコンクールでは、4年ぶりにフランスやイギリス、オーストラリア、香港などから外国人審査員が招聘され、国際的な視点での評価が行われました。このような国際的な審査体制の復活は、日本ワインの世界的な競争力を再確認する機会ともなりました。審査員として参加したのは、ジル・ド・ルベル(フランス・ボルドー大学名誉学部長)やサラ・ジェーン・エバンス(英国・マスター・オブ・ワイン協会)、さらにオーストラリアのデニス・ギャスティン氏や香港のダーク・チェン氏といった、ワイン業界で国際的に高い評価を受けている専門家たちです。
彼らは、外観、香り、味わい、バランスなどの観点から厳格に審査を行い、日本ワインの繊細な表現力や安定した品質に驚きを見せました。特に注目されたのは、日本独自のブドウ品種である「甲州」や「マスカット・ベーリーA」を使ったワインの特徴です。これらは国際的にはまだ知名度が高いとは言えない品種ですが、その控えめで上品な香りや、料理との相性の良さが評価されました。例えば、甲州ワインの爽やかでクリーンな味わいは、寿司や天ぷらといった和食との相性の良さを強く印象づけ、マスカット・ベーリーAの果実味豊かで柔らかい口当たりは、幅広い層のワイン愛好家に受け入れられる可能性があるとされています。
また、審査員たちは日本のワイン醸造における技術力の高さ、特に清潔な醸造設備やブドウの選果の厳しさなどにも触れ、日本ワインが衛生的で信頼性の高い酒類である点も強調しました。このように、今回の外国人審査員による評価は、日本ワインが国際市場において十分に競争力を持ち得るという事実を裏付けるものであり、今後の輸出促進や海外でのブランド力向上に向けて大きな弾みとなることが期待されます。
山梨県が最多受賞した理由とは

今回の審査結果において、山梨県は94銘柄で最多の受賞数を誇りました。その理由としてまず挙げられるのは、長年にわたって甲州種を中心にブドウ栽培とワイン造りを行ってきた地域としての経験と実績です。甲州種は日本固有の品種であり、山梨ではそれを活かした独自のワイン文化が育まれてきました。特に、辛口から樽発酵まで、さまざまなスタイルの甲州ワインが存在し、幅広い層の消費者から支持を得ています。
加えて、山梨大学や県内のワイン科学研究機関と連携した技術革新も見逃せません。これらの研究機関は、栽培技術や醸造技術の向上、品質管理の標準化などに積極的に取り組んでおり、科学的な知見に基づいたワイン造りが山梨県内全体に波及しています。技術的裏付けがあることで、安定した品質と革新性のあるワインが次々と生み出されているのです。
さらに、山梨県には大小さまざまなワイナリーが密集しており、その多さ自体が競争と協働を生み出す環境を形成しています。個々のワイナリーが切磋琢磨することで全体の品質が底上げされ、同時に観光業や地元経済との相乗効果も生まれています。ワインツーリズムの盛り上がりもあって、消費者とワイナリーの距離が近くなり、フィードバックを直接反映した製品開発も盛んです。
また、山梨の自然環境も大きな魅力です。昼夜の寒暖差が激しく、雨が少ない内陸性気候はブドウの糖度を上げ、香り高い果実を育むのに適しています。加えて、土壌の水はけがよく、病害虫のリスクも比較的低いため、品質の安定したブドウ栽培が可能となっています。このような理想的なテロワール(風土)は、国際的に見ても高く評価される条件のひとつです。
これらの環境的・人的要素が相まって、山梨は今後も日本ワインの中心地として確固たる存在感を示し続けるでしょう。既存の実績に加え、持続可能な農業への取り組みや国際展開に向けた戦略も強化されており、日本ワインの旗手としてますます注目される地域になることは間違いありません。
初受賞のワイナリーに注目

今回のコンクールでは、大阪府と京都府からそれぞれ1銘柄ずつが金賞を初受賞しました。これは、関西圏におけるワインづくりの水準が着実に向上していることを示す成果であり、日本ワイン全体の広がりと成熟を印象づける結果となりました。大阪の「飛鳥スパークリングシャルドネ2020」は、スパークリングワインとしてのクオリティの高さが評価され、繊細でクリーミーな泡立ち、柑橘系を思わせる爽やかな香り、すっきりとした味わいが特徴です。関西地方の新しい銘醸地としての可能性を開いたとも言える一本であり、地域の気候や土壌に適した栽培と醸造が高く評価された形です。
一方、京都の「ナイヤガラ やや甘口2022」は、果実味と甘味のバランスが優れた白ワインで、日常的に楽しめる親しみやすさが魅力です。香りはフルーティで華やか、飲みやすさを重視した設計が奏功し、特にワイン初心者や甘口ワインを好む層にとって理想的な1本となっています。京都という伝統文化の地から生まれたこのワインは、新旧の融合という点でも注目に値します。
特に飛鳥ワインは、スパークリングワインとしての泡のきめ細やかさや果実感が評価されており、今後さらなる品質向上と注目が期待されます。また、両ワイナリーともに地域との連携を重視し、地元の農業と共に発展する姿勢を明確に打ち出しており、持続可能なワイン造りの一例としても評価できます。地域性を活かしたワイン造りの成功事例として、これらのワイナリーは他の地域にも良い刺激を与える存在です。今後、関西地域のワインが全国レベルでさらなる注目を集め、次なるワイン文化の発信拠点となる可能性も大いに秘めています。
日本ワインコンクール2023結果とおすすめ
- 編集部が選ぶおすすめ金賞ワイン
- 話題を呼んだスパークリング銘柄
- 北海道・長野の注目ワイナリー
- 高評価を得た甲州ワインとは
- 部門別受賞ワインの傾向と特徴
編集部が選ぶおすすめ金賞ワイン

編集部が特におすすめする金賞受賞ワインとして、「エステートゴイチ シラー2021」(長野県)と「北島ヴィンヤード ノーブルロット ケルナー2019」(北海道)を紹介します。いずれのワインも、その土地ならではの特徴を活かした造りで、日本ワインの魅力を存分に味わうことができる逸品です。
エステートゴイチは、長野県塩尻市で栽培されたシラー種を使用しており、近年の気候変動への対応として注目を集めている品種の一つです。このワインは、しっかりとした果実味にスパイスのニュアンスが重なり、濃厚でありながらもエレガントな口当たりが特徴です。赤ワインに馴染みのない方でも飲みやすい滑らかなタンニンがあり、まろやかな後味が残ります。鴨肉やローストビーフなどの料理との相性もよく、家庭のディナータイムを上質な時間に変えてくれる一本です。また、収穫から発酵、熟成までのプロセスにおいても一貫した品質管理がなされており、造り手の丁寧な仕事ぶりがその味わいに表れています。
一方、北島ヴィンヤードのケルナーは、北海道ならではの冷涼な気候と湿度管理により、貴腐化したブドウを使用した極甘口ワインです。上品な甘みと美しい酸味のバランスにより、甘さがくどくならず、余韻の長い味わいが楽しめます。蜂蜜やトロピカルフルーツを思わせる香りがあり、デザートやチーズ、特にブルーチーズとの相性は抜群です。このワインは、贅沢なひとときを演出してくれるため、ギフトや記念日などの特別なシーンにも最適です。
どちらのワインも、日本の気候や土壌、造り手の工夫と情熱を反映しており、日本ワインの新しい可能性を感じさせてくれる存在です。土地の個性を表現したこの2本は、ワイン好きはもちろん、これからワインを楽しみたいと考える方にも強くおすすめできる、魅力にあふれた金賞受賞ワインです。
話題を呼んだスパークリング銘柄

今年のスパークリング部門では、「SUNTORY FROM FARM 津軽シャルドネ&ピノ・ノワールスパークリング2020」が部門最高賞と金賞を同時受賞し、大きな話題となりました。このワインは、青森県の冷涼な気候と豊かな自然環境の中で育まれたブドウを用い、きめ細やかな泡立ちと爽快な飲み口が特徴です。口に含んだ瞬間に感じるフレッシュな酸味と、シャルドネ由来の果実味が美しく融合し、余韻にはピノ・ノワールの繊細なコクが残ります。バランスの取れた味わいは、和洋問わずさまざまな料理と合わせやすく、特別な日の乾杯やパーティーシーンはもちろん、休日のブランチや食前酒としても楽しめます。
さらに、このワインは環境への配慮からサステナブルな栽培手法を採用しており、その取り組みも評価の対象となりました。醸造工程にも細やかな温度管理と時間をかけた熟成がなされており、一本のワインにかける情熱と技術力の高さが伺えます。日本におけるスパークリングワインの品質水準を一段階引き上げたとも言える存在であり、今後のスタンダードとなる可能性を秘めています。
また、大阪の「飛鳥スパークリングシャルドネ 2020」も、関西地域のワイナリーとして初めてスパークリング部門で金賞を受賞するという快挙を成し遂げ、地域の名声を大きく高めました。このワインは、熟したシャルドネから得られるリッチな果実感と、繊細な泡の絶妙なバランスが特徴で、シャンパーニュに匹敵するとも言われる完成度を持っています。地元の気候条件を最大限に活かした栽培と、丹念な手作業による醸造によって生まれたこのワインは、まさに職人の技と情熱の結晶です。
スパークリングワインの新たな名品として、これら2本は国内外からも高い評価を受けており、今後の日本のスパークリング市場を牽引する存在として大いに注目されています。
北海道・長野の注目ワイナリー

北海道と長野は、日本ワインにおける重要な生産地として年々注目を集めています。どちらの地域も独自の気候条件と土壌を活かし、高品質なワインを生み出しており、国内外の愛好家から高い評価を得ています。北海道では冷涼な気候を活かして、ケルナーやゲヴュルツトラミネールといった芳香系白ワイン品種が主力となっており、特に「鶴沼ケルナー」は毎年安定した品質を維持していることで知られています。このワインは爽やかな酸味と豊かな香りが特徴で、食前酒や魚介類とのペアリングに適しており、地元のレストランや観光地でも提供されるなど、広く親しまれています。また、道内ではワインづくりに新規参入する生産者も増えており、今後さらに品種やスタイルの多様化が期待されています。
一方で長野県は、標高の高い地域が多く、日照量と昼夜の寒暖差が大きいため、ブドウ栽培に非常に適した環境です。このような条件により、メルローやシャルドネ、シラーといった欧州系品種で多くの成功を収めており、毎年のコンクールでも数々の受賞歴を誇ります。中でも「ソラリス」シリーズを展開するマンズワインは、長野県の地形と気候を最大限に活かした高品質なワインを提供しており、熟成にも耐える深みある味わいが魅力です。また、地元に根差した林農園などのワイナリーも注目されており、ブドウ栽培から醸造までを一貫して行うことで、土地の個性を反映したワインづくりを実現しています。さらに、観光との連携や地域振興への貢献も強化されており、ワイナリーツーリズムの拡大を通じて、長野ワインの知名度とファン層の拡大が進んでいます。
高評価を得た甲州ワインとは

甲州ワインは日本固有のブドウ「甲州種」を使用した白ワインで、繊細な香りとキリっとした酸味が特徴です。古くから山梨県を中心に栽培されてきたこの品種は、日本の風土に最も適したブドウとして知られており、全国的にも高い評価を受けています。今回の日本ワインコンクールでも、「甲州ドライ2022」や「穂坂甲州樽発酵2022」など、複数の銘柄が高い評価を受けました。これらのワインは、それぞれ異なる醸造手法によって、甲州種の多彩な表情を引き出しており、消費者の好みに応じた選択肢の幅広さを感じさせます。
特に穂坂地区のワインは、契約農家との長年の連携によって高品質なブドウが安定供給されており、その信頼性がワインの味わいにも表れています。この地域では、ブドウの成熟度合いや収穫タイミングに至るまで細かく管理されており、その結果、均質で質の高い果実が得られています。こうした丁寧な栽培と、樽発酵や低温発酵といった醸造の工夫が合わさることで、複雑な香りと深い味わいを持つ甲州ワインが誕生しています。
また、甲州ワインは和食との相性が非常に良く、日常の食卓にも自然と馴染むため、家庭でも楽しみやすい点が魅力です。焼き魚や天ぷら、煮物といった繊細な味付けの料理に対してもワインの風味が邪魔をせず、むしろ味を引き立ててくれる存在となっています。近年は、ステンレスタンク発酵による軽やかでフレッシュなスタイルに加えて、オーク樽を用いた樽発酵タイプや長期熟成タイプなど、より複雑で奥行きのある味わいを持つスタイルも増えており、甲州ワインの進化と可能性がますます広がっていることが実感できます。
部門別受賞ワインの傾向と特徴

日本ワインコンクールでは、欧州系赤・白、国内改良品種、スパークリング、ロゼ、極甘口といった多彩な部門が設けられており、それぞれの部門で個性豊かなワインが競い合っています。今年の傾向としては、欧州系赤・白の安定した人気が続いている一方で、新たな動きとして北米系白品種や極甘口部門からも初の金賞が誕生し、多様性の広がりが顕著に表れました。これは、従来の主流となっていた辛口・ドライ系のワインだけでなく、より幅広い味わいへのニーズが高まっていることを物語っています。
特に、甘口ワインやスパークリングワインの人気が若い世代や女性層を中心に急速に上昇している点は注目に値します。これらのワインは、華やかな香りや飲みやすい口当たりから「ワインは苦手」という人にも受け入れられやすく、日常のシーンでも気軽に楽しめる選択肢として需要が拡大しています。甘口タイプでは、貴腐ワインや遅摘みワインなど、ブドウの糖度を生かした造りが評価され、スイーツとのペアリングや贈答品としての人気も高まっています。スパークリングワインに関しても、近年は本格的な瓶内二次発酵を取り入れるワイナリーも増えており、品質の高さが一層際立つようになってきました。
また、これらのトレンドはワイン初心者にも嬉しい変化をもたらしています。豊富な味わいのバリエーションがあることで、自分の好みに合った一本を見つけやすくなり、より気軽に日本ワインに触れる機会が増えているのです。こうした動きは、初心者から上級者まで幅広い層にワイン文化を広げる土壌を作り出しており、日本ワイン市場の将来的な成長にとって非常に大きなメリットとなります。今後はさらに消費者の多様な嗜好に応える形で、各部門において新たな挑戦や革新が進んでいくことが期待されます。
日本ワインコンクール 2023 結果の総括
- 出品数は709本で過去最多となった
- 123ワイナリーが全国から参加した
- 金賞は28本、銀賞71本、銅賞119本、奨励賞65本が選出された
- 部門最高賞10本、コスパ賞4本も選ばれた
- 官能審査は100点満点で行われ、公正性が重視された
- 「ソラリス ラ・クロワ 2019」などが注目の金賞を受賞
- 夜間収穫を採用した「久住シャルドネ」も高評価
- 海外の審査員が4年ぶりに参加し、国際的評価が強化された
- 甲州やマスカット・ベーリーAなど国産品種への評価が高まった
- 山梨県が最多の94銘柄を受賞し、技術力と地力を示した
- 初受賞は大阪と京都のワイナリーが金賞を獲得
- 編集部の推しは「エステートゴイチ シラー」や「北島ケルナー」
- スパークリング部門では津軽と飛鳥の銘柄が話題となった
- 北海道と長野が主要産地として存在感を強めた
- 甘口やスパークリングの人気が若い世代を中心に拡大した